2021.01.19
2021年4月中小企業へも同一労働同一賃金が徹底化されます!
令和3年4月1日から中小企業でも同一労働同一賃金が本格的に始まります。
有期契約社員から正社員との待遇差等について質問がなされた場合、使用者は丁寧に説明しなければなりません。
1.同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金とは、同じ仕事に対しては同じ賃金が支払われるべきという考え方です。
厚生労働省は、「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」と位置づけています。したがって政府は、同一労働なのに雇用形態の違いによって同一賃金ではないという事態を特に問題視していると言えます。
2.法改正により求められる企業の対応とは
事業主が抑えておきたいポイントは大きく2つです。
①正社員と非正規社員との不合理な待遇差をなくす。
②社員から待遇差に関する説明を求められたら、合理的な理由を説明する。
上記へ対応するためには、いくつか必要なステップがあります。同一労働同一賃金に対応するということは、その企業の労働に関する仕組みを整備することになりますので、一朝一夕でできることではありません。ある程度の時間はかかるものとして必要なステップを確実にクリアしてください。
具体的なステップの内容は次のとおりです。
社員の雇用形態を確認→雇用形態ごとの賃金や福利厚生などの待遇の違いの洗い出し
→待遇の違いを設けている理由の確認→その違いが「不合理ではない」ことを説明できるか確認
→「不合理ではない」と言い難い待遇の違いについて、早期の改善に向けて検討
(「法違反」が疑われる状況からの脱却を目指す)
→社員の意見も踏まえた、計画的な社内規定整備の実行
★企業は慎重かつきめ細かい確認を!
今回の法改正は、様々な要素によって給与が決まる日本型システムに大きなメスを入れるものであり、各企業はそれなりの影響を被ることを覚悟すべきです。企業側としてまず行わなければいけないのは、法改正について正しく理解することです。ガイドラインなどを読み込み、具体的な事例を通して何が違法で合法となるのかを把握しておきましょう。
その上で、自社の状況を細かく点検しましょう。具体的には、基本給、賞与、各種手当(住宅手当や地域手当)、福利厚生、教育訓練の処遇を見ていくといいでしょう。それらが同一労働同一賃金に反していれば是正されるべきですが、一方で労使の合意なしに正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえませんので、使用者側の裁量で勝手に決定しないようにしましょう。
御社における待遇差が「不合理ではない」か否かの判断や規定の整備など、専門家の立場からお力になります。
CROSSROAD社労士事務所までご相談ください。
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