「男性育休」を促進する育児・介護休業法等の改正案が上程されました!
◆進まぬ男性育休の取得
令和元年度の男性の育休取得率は7.48%でした。過去最高ではあるものの、平成30年度 の7.16%から小幅の上昇にとどまっており、依然低水準です。政府は令和7年までに、これを30%まで引き上げる目標を掲げています。しかし、多忙化や収入減少への対応、また「育児は女性がやるのが当たり前」という意識からくるパタハラ(パタニティ・ハラスメント)等を背景に、実際には取得は難しいと感じている男性が多いようです。
◆育児・介護休業法の改正案
この状況を改善するため、男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法と雇用保険法の改正案が閣議決定され、今国会に提出されました。
(1) 男性の育児休業取得促進のため、子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組み(男性育休)の創設
① 休業の申出期限は、原則休業の2週間前まで
② 分割して取得できる回数は2回
③ 労使協定を締結している場合は、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することが可能
(2) 育児休業を取得しやすい雇用環境整備および妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の事業主への義務付け
(3) 育児休業(男性育休を除く)を分割して2回まで取得することを可能とする
(4) 常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得状況の公表を義務付け
(5) 有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止
(6) 育児休業給付に関する所要の規定の整備
成立すれば、上記2および5は令和4年4月1日から対応が求められます。育休制度の充実は、若い世代の人材確保にも大きな効果があります。これを機に、社内の体制について再考してみるのもよいでしょう。
【厚生労働省「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」(概要)】
◆助成金の活用【「両立支援等助成金」(出生時両立支援コース)】
男性労働者が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、子の出生後8週間以内に開始する連続 14 日以上(中小企業は連続 5 日以上)の育児や育児目的休暇を取得させた事業主に一定額が助成されます。
社内の育休制度の見直しと共に活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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